ひつじのブログ

漫画家、鈴木信也のブログです。日常のことやゲーム感想など。

満員電車内のヒエラルキー

先日、久しぶりに原稿終わりのヨレヨレくたくたな残りHP1の状態で
満員電車に乗車せないかん状態になりまして…
若い頃は乗車率500%だろうがノーハンドつり革状態でもヘッチャラで
漫画を読めていたものですが、今はもう…
満員の車内でつり革を掴まなければ
海中の波間に揺れるフニャンフニャンのコンブ状態ですよ。
先日もすし詰め状態の車内で完全にグロッキーでした……。

「あれ? 満員電車ってこんなに”死”を感じる戦場でしたっけ…?」

ボクは長年戦場の最前線から退いていた…いわば退役兵…
すっかり薬莢や血の臭いを忘れていたんですね。
もう少し長く車内にいたら、隣のきったないオヤジと同化しちゃうんじゃ
ないかってぐらいギューギュー詰めの混みようで、
そんな中ふと座席の方に目をやると優雅に小型のノートPCを広げて…
「満員電車内でもボク仕事してますよ~~」ってリーマンいるわけですよ~!!

いいからぁ~こんな戦場内でそんな意識の高さは~!

今はこの乗客率1000%の車内の薄くなった酸素濃度の中、空気と
携帯食料の確保と、到着まで正常な意識をしっかり保っていくという…

電車内(ここ)はサバイバルの場なんです………!!

 


ど~~して電車が始発駅のホームに着く、直前の数分の待機の差ごときで
かたや隣の水虫もってそうなオヤジとの完全融合か
かたや隙あらばノーパソ叩きの差が生じるんですか……!??
たかだか数秒、数分の差ですよ!
新幹線のように座席指定に課金をするってんならまだ納得できます。


なるほど、所詮この世は早いもの勝ちですか……
世の中先にやったもん勝ち、領地も利権も知的財産に特許も
新ギャグもヒット漫画の企画も、全ては先にやったもん勝ち……!



というわけでボクが、同じ電車賃なのに
これまでの生き方や積んできた徳、実生活の階級なんか関係なく、容赦なしに
ランクが振り分けられる無慈悲な満員電車のヒエラルキーを描いてみました。

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ボクがこれまでくぐって来た死線の数と、ちょっとの独断と偏見により
導き出された、満員電車内の階層分けですが……

角の座席>通常座席>優先席>門番(ドアの脇)>
つり革orポールを死守出来し者>壁orドア付近>
座席もつり革もポールも壁もドアも何も得られなかった満員電車の落伍者共

……となりました。


ボクも入隊時は真っ先に頭にミルクをかけられながら上官に言われました。
「戦場では振り向くな!扉(ゲート)が開いた瞬間から…いや…
ホームで電車を待っている時から戦いは始まっている」と…


まず、ドアの両脇を見事に固めている”門番”の方達ですよ。
あの人達は何を何から護ってくれているんでしょうね?
人によっては座る席が無いとみるや真っ先にあの門番位置をキープしますが、
やはりお尻側を座席側に向いて立たれる方が大多数な事を考えると
お尻ガードなんですかね…?
自分のケツは自分で守る──ソルジャーとしてあるべき姿だと思います。

ボクは外見的に、ちょっと触ってみたいどころかむしろちょっと
触るにはご勘弁願います的なかわいそうな汚尻で
守るものがないんで、あの門番位置の重要性がいまいちピンときません。







運良くつり革を死守できた人は幸運です。
そう…満員電車におけるつり革とは銃も同じ…
アサルトライフルのM16みたいなもんですよ。
到着駅まで片手つり革片手スマホ確定ですからね。

で、満員電車という最も激戦の続く最前線だというのに
ノコノコとけだるそうに出遅れてやってきて
「別に私…戦いたくてこの戦場に来たわけじゃありませんから…」とかのたまう
つり革を死守できなかった一兵卒達…これはもう
敗者としか言いようがないんですよ……。

先日のボクも、この敗者側にいましたよ。クソ雑魚noob兵もいい所です。
来たるべき戦に備えてしっかりした武装も時刻表チェックも
下半身のパンプアップもせず、先日のボクは満員電車という現代の戦場に
飛び込んでしまいました……。

「満員電車は遊びじゃねえんだよ!」これは先日車内で酔って絡んでゲロってた
クソリーマンの言葉ですが、そりゃ手痛い洗礼を受けました。
通勤エリートの猛者リーマンに鼻で笑われましたね。
「ここはそんな生半可な気持ちで生きていけるほどヌルい戦場じゃないぜ
家に帰って母ちゃんのオッパイでも飲んでなグリーンボーイ(新兵)…!」

もうね、その通りですよね。戦地に赴くのに、生き抜く覚悟も準備もない野郎は
満員電車という死地にそもそも飛び込んじゃいけないわけですよ…!!
ボクはご存じのとおり、クソオタクメタボ漫画家なんで
腰がグニャグニャでとてもつり革なしでは、あの猛烈な揺れに耐えられないんですけども…。

たまにいるじゃないですか、アンタどれだけ死線を潜り抜けてきたんだって
戦争映画で顔中キズだらけの、超頼もしいベテランエリートソルジャー…
まさにあれの満員電車バージョンの、通勤レベル100の猛者リーマン…
つり革ノーハンドなのに、あの「電車でGo!」だったらお客さんがキャーって
倒れ込むレベルの揺れにも微動だにしない泰然自若の不動リーマン。
「あの人の下半身どうなってんの?競輪選手なの?」って化け物みたいな人…
多分あの人が持ってる特殊スキルの「満員電車内での揺れ無効」
あの特殊スキル、ボクも欲しいんですよ。あと何回
満員電車の死線潜り抜けたら習得できるんだろーなぁ…。


逆に、どんな揺れにも私は決して逆らわないっていう下半身グニャグニャの
全ての揺れを相手に委ねてイチイチしなだれかかってくるオヤジいますよね。
揺れを受け流すっていうと気功みたいでカッコいい気がしてきますが
ああいう全く揺れと戦う気概の感じられないオヤジには
ニッコリとチャージタックルでも構いません。




やっぱり一番人気があるのは、座席の角席でしょう。一瞬で埋まる。
やはりマンションでも人気の角部屋と同じ理由なんですかね。
片側だけでも人と接する事を回避するという。
まぁあそこが満員電車内での神ポジションなんでしょうか。

で、両脇を深~~くふんぞりかえって座る男と男で固められている時に
申し訳程度に狭く間に空いた席…これが土地だったら狭すぎて縦長の家しか
建てられないやつ…あの席に滑り込んでまで座るか、いっそ立ったままでいるか
悩みますよね。
座れたはずなのに、浅~~く座らないと入れない、

「すいません…ちょっと間に入らせてもらいますね…」っていう
あの敗北感はなんなんでしょう……!?
(最新式の車両では全座席がひじ掛けで区切られているものがありますけど
あれ助かりますよね)
あんな敗北感を味わうぐらいなら、ボクはノーつり革で
体中銃弾を浴びてハチの巣にされても構わないですよ。




つり革で立ってて前の座席に座ってる客をふと見て
「あ、こいつ次で降りそうな面してんな」って察知する時ってありますよね。
こいつは2駅でスタコラしていく早漏野郎だとふんで
そいつの前のつり革に陣取ると、駅に着いた時降りるかと思いきや
カバンから意味ありげに本を取り出す奴…
いや~~「こいつここで降りるな」と立ち上がる動作と見せかけてからの
カバンから本を出しての読書は軍法違反ですよ!
今からその分厚い本を読みだすって……あと何駅残ってるんだ!?
なんで満員電車で村上春樹読むの!?


とにかく満員電車内で一番やっちゃいけないのは
チカン行為や暴力沙汰、ヘッドホンからの音漏れだと思われがちですが…
駅到着のタイミングで降りるそぶりにカモフラージュした
カバンからの分厚い本出しですから。
一歩間違えると前にそそり立つソルジャーからハチの巣にされる
挑発行為ですからね。…戦場の裏の掟にも、
「駅到着のタイミングで村上春樹の本を取り出す兵は銃殺もやむなし」と…。
これ東野圭吾でも宮部みゆきの著でも即銃殺刑ですから。
グリーンボーイの諸君は肝に銘じてくださいね。
この甚だしい軍法違反に比べたら、車内で化粧するとかお弁当食うとかは
もうささいな事でしょう…



ま…ボクもこれからはもう少し身だしなみを整えて、お尻を守りたいと思えるほど
人が周りに寄ってくるよう身を処していきたいと思います。