ひつじのブログ

漫画家、鈴木信也のブログです。日常のことやゲーム感想など

ボクは自転車と純愛エンドになった事がない

 

チャリで来た


みなさん常日頃自転車に乗っておられるでしょうか?

ボクはかれこれ15年くらいマイチャリを所有しておりません…


近所に出かける時はどこでも歩きマンなのですが
子供の頃は本当にチャリンコ小僧で、卒業文集の寄せ書きにも
「チャリで来た」って書くぐらいにはチャリンコ愛にあふれてましたよね。
親戚の結婚式にもデコチャリで参上してましたし。
将来自分が死んだら棺は霊柩チャリで運んでほしかったぐらいでした。

チャリで原宿までタンデムしてデートするのも夢でしたね。
いやーホント自転車とガキのボクは相思相愛でしたねぇ。

でも時が経つにつれ、付き合うチャリンコにはフラれたりNTRれたりの
バッドエンドばかり…
これよりボクは愛をこめて自転車を「おんな」と読みますし
自転車擬人化の話を聞くと中野浩一になる病の人はブラウザバックするか
ボクに自転車のペダルを弱気にください。

 



ボクとチャリ達との恋愛譚
~はじめての女(チャリ)~

ボクの最初の彼女となったチャリは、黒いボディーのウルトラマンチャリ嬢でした。
出会いは幼稚園の頃でしたよね。
小学校近くの自転車屋さんで見かけて以来彼女にそりゃーゾッコンで
女性に例えたら黒髪のふわもてロング…顔はウルトラマンでしたけど…
そのチャリ、ハンドルの間にウルトラマンフェイスがどーーんと鎮座した
イカしたデザインで、ボタンを押すと
「ジョワ!」とか「シュワッチ!」とか言うんすよ。

イカスでしょ彼女…? 

アレ…!?…もうこのノリすでにウザいですか?


そのウルトラマンチャリは当時の園児に大流行中で
みーんなそいつにまたがっとるワケですよ。
ワシの女になにまたがっとんねんな状態です。
まー自転車童貞だったもんで補助輪様の力を借りて
ウルトラマンチャリでようやく童貞を捨てられたワケで。

ボクは本当に運動音痴なもんで、なかなか2輪の走行ができなくて
周りがどんどん補助輪なしで自転車乗り回してるのを見て、奴等に憧れたワケですよ。

遅れに遅れ、親と補助輪なしでの走行練習にチャレンジです…
開始一分で心が折れかけました。あまりのヨロヨロ走行で
壁や電柱に激突したので、その2輪のじゃじゃ馬ぶりに頭きて

道路に女(ウルトラマン自転車)を捨ててきましたよね……。



小学生になると、周りはどいつもこいつも、
6段変速ギアのイカした女(チャリ)にまたがってるワケですよ。
1速で急な坂を登り、6速で直線を駆け抜けてライバルと差をつけろ!
とにかくもあの6段変速ギアに憧れていました。

もう子供にとっての自転車というのは初めての彼女ですから。
子供っぽさがいまだに抜けないウルトラマンの彼女には
少し物足りなさを感じてたんですね…(サイテー…)。


ボクは生まれた時からリア充の星の下に産まれてますからね。
女(チャリンコ)は飽きたらポイ捨てするワケですよ。

そんな幼稚園からのウルトラチャリは小学校中学年まで乗らされておりました。
「わたしのこと捨てたらコ□ス」とか言われたワケじゃありません。

家が、玄関の目の前に自生するドクダミを煎じてお茶にしなきゃいけない位の
節約一家だったので買ってもらえなかったワケですね……。

体も相当大きくなってるのに、ボクだけ幼児用ウルトラチャリというのは
みんなとのチャリツーリングには不利でしたよね。
幼児用ウルトラチャリで6連ギアと対等に張り合うには
ボクが競輪選手並の足を手に入れなければムリでしたから。

6段チャリに対抗心を燃やして、ブザーがシュワッチのウルトラフェイスチャリで
必死に食らいついていったものです。
なんとしても一度は6段チャリに追いつくため。

無理な運転をして田んぼに突っ込みました。
それでボクの彼女の顔面(ウルトラフェイス)も
ボッコボコになっちゃいましたよね…。



で、小学校中学年の頃やっと新しい女(チャリンコ)に乗り換えるワケですよ。

ボクは幼稚園の頃から女(チャリ)を切らした事ありませんでしたね。


4年付き合った彼女はもう…ウルトラフェイスに穴が空いていて雨水が入ってか
壊れてしまって、ブザーを押しても以前のように「ジョワ」も「シュワッチ」も
何も喋らない身体になっていました…

新しい女(自転車)は可もなく不可もなくの普通の女…
新しい女に乗り換えて初めて気づくのです、前の女のウザいとしか思えなかった
子供っぽい部分が、今となってはかけがえのないものだったと…

新しい女(チャリ)は黒いボディーのノンブランドの、
ただただ普通という言葉しか
形容しようがない女性でしたね…

ノンブランドの女(チャリ)に乗っても、
ボクの心にはいつもどこかに…ウルトラマンが居たのかもしれない……


急に詩人みたいに振り返ってますけど、これただの

クソガキの頃のチャリンコの話ですからね?


中学時代 ~女(チャリ)が寝取られた話~

中学に入り、ボクもつなぎのつもりで付き合ってた普通の女(自転車)とも
6年ぐらいの月日が経っており、ある時ボクから別れを切り出しました。
彼女は意外にも拒みませんでした…

そう…ボク達はとっくの昔に冷めていたんですよ…

チャリの話だよねこれ?


当時最先端のマシン、チェーンの部分がゴム製の
ベルトドライブの自転車を買ってもらいました。

いや~新しい女(チャリンコ)はやっぱりいいですね~(ゲス顔)。

今もあるのかわかりませんが、当時導入したてのベルトドライブのチャリを
買ってもらえた時は喜びましたよね~。
中学になってちょっと大人びてきて
ボクの好みももう、ウルトラマンみたいな女(チャリ)はちょっと子供っぽくて…

やっぱりタイプの子(自転車)は最新技術のベルトで軽量でスタイリッシュ!
リアル女性で言うなら長身モデル系の方ですかね。
池田エライザさんみたいな感じでしょうか。

大丈夫ですか!?この自転車を女性にたとえるくだり!?
不快になってほとんどの人帰ってませんか!?

で、その池田エライザさん、ボクには過ぎた女性だったんですよ…

購入してたった1ヶ月で当時通っていた塾の駐輪場でパクられました。

ちゃんとカギかけてたのに…

塾は2時間ぐらいあったんで、その間を狙い撃ちでした…
いやぁ本当にショックでショックで…
長年付き合ってた普通の女(チャリ)を自分から捨ててまで、
自分には不釣り合いの
ハイスぺ彼女(チャリ)を捕まえたらNTRれたワケですよ……。

もうオイルパニックとこのベルトドライブのチャリの盗まれた日に
一度でいいから戻って、その落胆した顔を見に行きたいですよ…
うん…助けませんよ別に…タイムパラドックス的なもの起きちゃうし…


まだ中2だったボクにエライザは早すぎた女(チャリンコ)だったんです。
身分のそぐわない女(チャリ)に手を出した罰ですね。

中学の後半は女切れの日々です…

自転車持ってなかったって事ですね。よろしいですか?

そこから毎日トボトボ歩き移動しながら昔の女(自転車)の事を
思い出してましたよね。
いくら思い出したところでもう二度とそいつらにまたがれるわけじゃ
ないんですけど(サイテー)。
もちろん高額なベルトドライブをたった一ヶ月で盗まれたので
親はカンカン、ボクは〇ン〇ンでしたよね… なんの伏字これ?




しばらくはボクも、どんな自転車にも束縛される事のないフリーの身で
いたのですが、ある日友達から
「オイ… 鈴木 自転車捨ててあるぞ」という悪魔の囁きが…


もう女(自転車)なんてこりごり、もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対
と思ってましたが…
昔の女(チャリ)の事も忘れられず、日々町ゆく自転車を見るたびに
「あ…ウルトラか…」と…

♪そして二年の月日が流れ去り 町でウルトラのチャリを見かけると
ウルトラフェイスを探すのさ あなたを失ってから~♪

ルビーの指環みたいに歌わないでくれるかな!?
今の若い子まったく知らないから!
今の子は寺尾聡っていったらパルムの小汚いおじさんでしか知らないから!
囚われのパルムじゃないよ!アイスの方のパルムだから!
すいません囚われの方はパルムじゃなくてパルマでした…


謎の緑のスポーティな女(自転車)

話は脱線しましたが、友達から自転車が投棄されてると聞いて
「こりゃおこぼれにあずかれるわい…」と汚い小悪党の盗賊に扮して
(もちろん鼻は赤くてブツブツですよ)さっそく現場に行きました。

そこは空き地で、他にもテレビや冷蔵庫やらの不法投棄されたもので
溢れかえった所でした。

その投棄チャリはもう誰も乗ったり降りたりの形跡はない。
近所の人の気配もない…。
ぼくはその空き地に色々な家財道具が不法投棄されている事を知っていたので

その自転車もかな~りオンボロ感があり、タイヤが両輪ともパンクしてるしで
自転車も捨てられたもんだと勝手に解釈してたんですね。

そいつは自分では絶対選ばない、緑のスポーティタイプの自転車でしたが
ベルトドライブのエライザを盗まれてからは、親からもう数年は買ってやらんと
言われてたので、喉から手が出るぐらい自転車が欲しかったんですね。

そしてその自転車を不法投棄されたチャリと信じて家に持ち帰りました。

もうあれですね、ひどい失恋で自暴自棄になっていたのか
誰でも良かったんですね(サイテー)。
ボクは全く好みではない緑の女(チャリ)にまたがりました。


この時ボクは、なんであの空き地にこの自転車が捨てられていたのか
3パターン考えました。

1.本当に前の持ち主が、ボロくなったからと誰も来ない空き地に捨てた
2.誰かの盗難自転車で、盗んだやつが乗り捨てた
3.新品がたった1ヶ月で盗まれた可哀想な少年のために神様がプレゼント

まぁ大人なら迷わず2ですよね。
でもこの時の少年鈴木は女(自転車)に飢えていたし買う金もありません。

ボクはなんとかして修理し、かすかに人のかもしれないという気持ちを抱きながら

「こんなボロボロであんな場所に野ざらしにして、何日も置きっぱなしなんだから

要らなくなって捨てたんだよね…」と自分の都合の良いように思い込んで
1週間経った時のことでした。




ボクがすっかりピカピカに磨き上げた緑のスポーティな女との
「拾う」という最悪な出会いからはじまって、
いまや運命めいたものを感じながら走っていると

恐いお兄さんから
「オイ止まれ! そのチャリどこで手に入れた!?」
とものすごい力で止められて、駐車場の隅に連れていかれました。



ワシ「ヒィィィ 3(神からのギフト)じゃなかったの…
1(捨てたもの)でもないの… も…もしかして……」

まぁ正解は2(盗難チャリが乗り捨てられてた)だったんですね…
ボクがしどろもどろになっていると、恐いお兄さんは
そのお友達のバイト先とおぼしき、うどん屋にボクを
逃げないよーにガッチリホールドしながら連れて行きました…

もうね、自業自得とはいえ半泣きでしたね。
もうボクは半殺しにされると観念しました。
で、うどん屋の駐車場で恐いお兄さんを待っていると
そのお友達が店から出てきました。

恐いお兄さん「オイ お前が前に盗まれたって言ってたチャリ、確か
緑のサイクリング車だろ? コイツのチャリを見ろよ、お前のか?」

うどん屋の友達「………」

ワシ「……(神様…違うと言ってください……)」

うどん屋の友達「まちがいねぇ オレのだ」

ワシ「…………………!!?」

恐い人ツープラトン「テメェ これをどこでパクりやがった…
テメェがオレのチャリをパクッたんかぁぁぁ!!!?」

もうね 号泣してしゃくりあげて、まともに答えられなかったですね。

かすかに「これは捨てられたチャリではなく、盗まれたチャリなのでは…」
中学生ながらに自覚はしてたんですね…
己の犯したあやまちに鉄槌が下った事で申し訳ないやら情けないやら怖いやら
いろんな感情がいっぺんに襲ってきたんですね。
胸倉掴まれてものすごく強く責め寄られましたが
その2人はボクに手は出しませんでした…ボクは泣きながら全てを話しました。

ボクも新品の自転車を盗まれて、それでへんぴな空き地でパンクして
野ざらしになっていたものを拾って乗っていたのだと…
2人は「ホントか?」と何度もボクを問い詰めましたが
そこだけはウソじゃなかったのでボクは拾った場所を話しました。もちろん
拾った後はわが物顔で乗ってたので、2人から感謝なんかされませんでしたが
ボクの言葉を信じてくれたのかどうなのかはわかりませんが
一発も殴らずにボクを帰してくれました。

その日の帰り道はもう震えてました…

そのチャリが捨てられたのか盗まれたのかはボクが判断するもんじゃなかったんだ、
例え捨てられていたとしても他人の物だし、直接パクッてないにしても
まずおポリスさんに届けないといけなかったんです。
ボクはこの事件で、バチは必ず当たるものだと身に沁みてわかりました


皆さん!放置されてカゴに大量にゴミの入った、持ち主の現れない自転車は
たぶん盗まれて乗り捨てられた自転車だよ!
家に持ち帰って修理して乗るとあとで恐いお兄さんに手痛い報復を受けるからね!


恐いお兄さんから天誅をくらった後は

また自転車浪人に逆戻りしてしまったボクに、
本当に乗らなくなった自転車を友達の友達が3000円で譲ってくれて
それに乗ってました…(最初からブレーキが壊れていてとても危ない…)

もうすごい怖い美人局に遭ったのでね、女(自転車)恐怖症になってますよ。

この3000円の間に合わせの女(チャリ)との思い出は記憶に残ってませんね…

女性の話じゃないですよ…!チャリンコの話ですからね…!!
しかし酷い表現だ…




高校に進学してから自転車通学だったので、ここで2代目ベルトドライブ
自分のバイト代で買いました。
3000円の女とはお別れです。じゃあの

もう、一度怖い事があったので新しいベルトドライブちゃんとは
清い交際をしてましたね。
一度カギを無くしてしまい、石でカギの部分をぶっ壊して
スポークに異物がぶつかってカンカン音がなる仕様に
フォルムチェンジしてしまいましたが
大人になるまで乗って、いつしか街でパクられました。


どーしてこう自転車と傘はパクりパクられるのでしょうかね?

ホントボク、恋人(自転車)との純愛エンド見れてない。
どいつもこいつもみんな死に別れたり失踪したりNTRれたり
バッドエンドばっかりじゃないかぁぁ!!
トゥルーエンド見せてよぉぉぉ!!!


大人になってから


漫画家になりたくて一人暮らしを始めたのですが、
その時T字ハンドルの激安のを乗りこなしてました。
どこに行くにもチャリンコでしたよね。
で、そのチャリも連載が始まって少し経つと
カゴがターミネーターに握りつぶされたみたいにありえないぐらい
ペッチャンコにされるイタズラ(イタズラの範疇越えてる)に遭いました。

どんな握力してんだよって位、カゴが紙くずみたいにグシャグシャに
なっているのを見た時、もう自転車はいいや… と思いました。

それからかれこれ15年経つわけですね。

追記

あまり良い思い出のない自転車ですが、
漫画の中で自転車を登場させるとなると大変です。
自転車に乗ってる人間の姿って、★10つけてもいいぐらいの高難易度なんですよ。

以前、漫画ではないんですが
ロードサイクル関係のお仕事のお話をいただいた事がありまして
ものすごく焦ったんですね。 「果たしてオレに自転車が描けるのか…?」と…
それでお話が本格化する前に自分でも練習しておこうと
それ関係の本などを集めて、ところどころ見ながら習作してみたのがこれです。

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なんかそれっぽく描いてますが、まだ練習で描いてみただけの
色々つなぎ合わせたデタラメですからね!!!念のため!!

で、密かに練習したそのロードサイクルのお仕事のお話は…
競輪選手のような猛スピードでポシャりましたとさ…

ほらぁぁぁ せっかく新しい自転車(のお話)と出会えたと思ったら
ま~~~たバッドエンドだよぉおおおお(号泣)